図工室の椅子みたいな箱型の楽器。その名はカホン
カホンを使った演奏活動、レッスンを行ってる
歌モノカホニスト のらっきょです。


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わたしのおもう カホンの楽しさ

わたしのおもう カホンの楽しさ

突然ですが、私はカホンが大好きです。

カホンってなに?


カホンとは、スペイン語で「箱」といを意味する箱型の楽器。基本は木製。叩けば音が鳴る。シンプルな楽器。
歌モノカホン奏者 って自ら謳うほどに、カホンが好きなのです。
物心ついた頃からカホンを演奏していた…というわけではなく、最初は「カホンって楽しそう!」とカホンの楽しさをライブのお客さんとして触れました。
今回は筆者のカホンの楽しさにお客さん側として触れた経験と、演者側ではなく観る側で感じることができる魅力を書いていきますね。

筆者がカホンの楽しさに惚れた時

筆者がカホンに出会ったのは16歳の時。

 通っていた大阪の高校で芸術鑑賞会があった。会場は高校近くの市民会館。1000人は入ることができる今は亡きユーアイホールというホール。
 韓国のとある高校と出身校が姉妹校提携をしていたのもあってか、内容な韓国のミュージシャンのコンサートだった。ミュージシャンの名前はもう忘れてしまったが、その方はアコギと歌、いわゆる弾き語りで演奏していた。
 会場に入るとステージにはギターとマイク。先生の言ってた通りや。アコギで弾き語りしはるんやな。  ただ、ステージによくわからないものが置かれていた。

 木の箱。

 ステージに置かれた木の箱。木目はキレイ。
家具かな?初めて見たこいつ。なんやこれ??木の箱やんけ??イス??なんか収納してるんやろな と不思議に思っていた。
 周りの同級生も同じような感想。なんなんあれ?図工室のイスみたいなん置いてるで?誰か座るんやろな…と少しざわついてた。
 そしてコンサートが始まる。ミュージシャンが入場してギターを弾きながら歌う。渋めの声やな。
これ16歳の人向けにしては眠気誘ってへんか…?大丈夫か…?なんてことを思いながらのんびりとコンサートを観ていた。
第2部が始まった時、彼は「仲間を連れてきました」と言って同じくらいの中年男性を連れてきた。
また中年か、でもなんか音楽できそうな雰囲気する人が出てきたなー。なんてことを思っていた。
 その彼がおもむろに股を広げて謎の木箱に座り、その木箱を叩き始めた。

 カホン

ドン タン ドン タン
カッ ジャッ ドーン。

   優しい。色んな音が出てる。音が響いて飛んでくる。
   ただの箱なのに。

   ただの木の箱のくせに 優しくて色んな音が出る。

   叩き方もなんだか優しいな。楽しそうに笑顔で歌いながら叩いている。
   暖かいな。なんだかいいなぁ。観てて楽しいな。

 これが私のカホンの最初の出会い。
 楽しそう、とお客さん側で思ったのです。
一目惚れだったのです。

 カホンの大きな魅力の一つ、それは「音」
 カホンは木製の楽器で、ほとんどが叩く面反対の面に穴が空いている。サウンドホールと呼ばれるもので、カホンの叩いた際に起こる内部の共鳴を外に出す役割がある。この穴があることでカホン独特の暖かみのある優しい音が出る。例えばこの動画。

この動画の前半のような優しい音でそっと寄り添ってくれる、そんな音もあれば、
思わず体が勝手に乗ってしまうような気持ちいい音。
 カホンはものによって音が変わる。(どんな木材を使っているか、木の厚さはどれほどか、どんな木の止め方をしているのか、どんな塗装の材料をどんな塗り方でしているのか、サウンドホールの位置は、大きさはどうなのか…)また、演奏するプレイヤーでも同じカホンで音が変わります。(カホンのどの部分を叩くのか、手のどの部分で叩くのか、力はどう入れるのか、どこに音を飛ばす意識なのか、押さえつけるのか、押さえつけないのか、体重はどれほどか、カホンのどこに重心を置いて座るのか…)言い出すとキリがないんだけど、「この人が叩けばどのカホンでもこの音が鳴る!」「このカホンを叩けばどの人でもこの音が鳴る!」というのはありません。一見似たような音には聴こえるが、耳を澄まして聴けば実はそうではないのです。

 また、こういう動画では感じることは難しいことなんだけどね、「音の響き」。これもカホンの大きな音の魅力。カホンを叩くとカホンが振動します。(空気が振動すると音波が出ることがあり、その音波を人は耳、大脳を通して音ととらえるのです)。

カホンに対してマイクが当てられてないのですが、カホンの音の残響を感じることができると思います。実際に演奏を目の当たりにした際、そのカホンの振動から生まれる音の響きを感じることができるのです。これがまた気持ちいのです。ほんとに。

カホンの大きな魅力の二つ目、それは「見た目」です。
筆者が高校生の頃に買ったカホンはこちら。

引用元:http://hamasakishokai.com/newsite/photo/190.png

皆さんが想像するような木製の楽器 カホンというイメージに近いものだと思います。
 以前の記事で、様々なカホンが積みあがった写真を掲載したのですが、もし読んでいただいた方、覚えていますでしょうか?十数台のカホンが積みあがっているのですが全部見た目が違うのです。

「図工室のイス」みたいな楽器ですので、ベージュ色の木材で創られたもの、というイメージをしやすいのですが、写真に写っているものだけとってみても、真ん中に移るスカジャンの刺繍みたいな和柄が描かれたものや、右下に写る全体が黒色に塗られていて白色でスピーカーのような絵が描かれたものもあります。
 先ほどカホンにはサウンドホールという丸い穴がある、というのを紹介しました。その形が丸ではないものもあります。>

引用元:https://www.mikigakki.com/ec/img/NO00439_M_m.JPG
このような猫の肉球の形をしているものもあります。また、こんなカホンもあります。
引用元:https://66.media.tumblr.com/31e8ee18097fb303ef9dad66f2c022ea/tumblr_inline_odi6h1BibA1tvnycz_500.jpg

直方体ではない。箱ではない…なにこれ…(筆者は実際にこの楽器に触って音を出したのですがこれも立派なカホンでした。驚き)
そしてもはや木製ではないものもあります。

引用元:http://chaany.com/index.php?plugin=ref&page=Pedro%E8%B3%BC%E5%85%A5&src=cajon_sb.jpg

これは叩く面が透明。アクリルでできています。色んな見た目のカホンがあります。
色んな見た目のカホンがあるので、「このカホンかわいい!」「スタイリッシュえかっこいいなー」「素朴な木そのままだけどいいな」と色んな感想を抱くと思います。

 カホンの大きな魅力の三つ目、それは「演者」です。
あれ、カホンじゃないやん?と思ったでしょ?ただカホンを演奏するプレイヤー、「演者」も大きな魅力の一つだと筆者は考えています。恐らく日本で一番有名なカホン奏者。ピアノジャックのひろさん。 歌なし、ピアノとカホンのみで繰り広げられるスタイリッシュでかっこよくて、エンターテインメント性が高いライブパフォーマンスと音源に圧倒されます。筆者は何度かライブを観させて貰っています。とにかく熱い。そしてお客さんの心をカホンの演奏で鼓舞させてくれます。筆者が対極的だな、と思っているのがこの方。動画では前方で歌われている女性の方。カホンを叩きながら歌われています。前回の記事でも書いたHAKOFESにもよく出演しておられる キラキラみさこさんという方。あべたかしGOLDとキラキラみさこ という名義で活動している夫婦ユニットのカホン奏者でカホンの触れ方がとても優しい。筆者はどちらかというとしっかりと音を鳴らす方なので、彼女の演奏方法をまねしようとも同じ音は出せません。ちなみに筆者はこんな感じ。頭振りながらカホン叩いてます。  筆者が初めてカホンの演奏を見た、韓国のミュージシャンの仲間は比較的優しい叩き方。みさこさんに近い叩き方をされていたと思います。優しい音を出すんだなー、いいな、簡単そうやし。楽しそう。と強く感じたのを覚えています。

 「音」「見た目」「演者」。
 この3つがカホンの大きな楽しみ方かなと筆者は思っています。もしカホンの演奏を聴く機会に出会えたら、こんな視点を持ってみるとカホンの楽しさ、より感じることができるはず。ぜひ、カホンに出会ってみてください。もし出会えた時は、思い思いの見方でカホンを楽しんでみてくださいね。